2019年1月12日土曜日

デジタル認知症・スマホ認知症…デジタル依存はほどほどに

若い人たちにも認知症の危機が迫っている。ネットやゲームに依存する若者たちの間に「デジタル認知症」と呼ばれる症状が増えているらしい。でも、これは若者に限ったことではないと思う。

ネットやゲーム依存による「デジタル認知症」



デジタル認知症


「デジタル認知症」というのは初めて聞く言葉だが、すぐに内容が推測できた。

パソコンやスマホがいつでも便利に使えるようになり、すぐに検索するクセがつき、文字を書かなくなり、計算をしなくなり、スマホの予定表に沿って行動するようになり、ネットに指示されたままの電車に乗り…。

自分の頭を使ったり、何かを覚えておくという努力をしなくなってしまった。

「こうした行動は、記憶に関わる脳の海馬の働きを衰えさせる。人や固有名詞の名前が思い出せない、ちょっとした計算ができないなど、高齢者でなくても日常生活で記憶力低下を感じている人も少なくない」…というわけだ。

これら過度なデジタル機器やネットへの“依存”による弊害を「デジタル認知症」と呼ぶ。


デジタル・デメンチア


「デジタル認知症」は、2007年に韓国の医師グループが初めて言及し、ドイツの脳科学者マンフレッド・シュピッツァー氏の著書『デジタル・デメンチア 子どもの思考力を奪うデジタル認知障害』で有名になったそうだ。

この中で、記憶力の衰えだけでなく、「すべてをデジタル機器の補助に頼ることで、明らかに桁数が異なる簡単な計算間違いにすら気づかなくなってしまう怖さ」や「本来であれば身についているはずの空間認識能力や作業能力、思考能力が衰えてしまう」ことに警鐘を鳴らしている。

度重なる厚労省の統計ミス・計算ミス(*)もデジタル認知症の影響なのか? いや、政治的な「忖度(そんたく)症候群」と言うべきか…(^^;)?

"労働時間の調査データ"全体の2割にミス(2018.5.15)
勤労統計、ミス隠し公表 厚労省、正しい手法装う(2019.1.9)


WHO「ゲーム障害」を病気認定


2018年6月に、世界保健機関(WHO)が「ゲーム障害」を現代病の1つに加え、世界的にもゲーム依存は“病気”として認められたそうだ。冒頭の絵はWHOの"Gaming Disorder"の図。

私自身はゲームにはまったく興味がないが、日常的にパソコンやスマホ、そしてネットのいろんなサービスに「依存」している。

本当は「便利に使いこなしている」と言いたいところだが、以前に比べて頭を使わなくなっていることも事実だ。自分のスマホの電話番号さえ覚えてない…(^^;)。

「デジタル・デメンチア」の中でシュピッツァー氏は、「本当の知識はネットサーフィンでは獲得できない。アクティブに苦労し、頭の中であれこれと検討し、内容を何度もこねくり回したり、疑問視したり、分析したりすることによって得られる」と書いている。

その通りだと思う。デジタルと縁を切ることは今さら無理なので、認知症予防のためにも、たまには「頭で汗をかく」ほどに考えるとか、紙とペンで心を込めた字を書くとか、計算をするとか…、そういう「アナログ」な努力をしようと思う。


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