今日は「第2章 認知症について知っておきたいこと」(基礎知識)その1。
認知症の種類
まず大事なのは「認知症」というのは病名ではなく「症状」を指す言葉だということ。「何らかの原因で脳に障害が起こって物事を認めて理解する機能(認知機能)が低下する状態」を「認知症」と呼んでいる。
主なタイプとしては次の4つ。日本では60%以上がアルツハイマー型。具体的なことについては次回「認知症に関する基礎知識 2/2」で。
- アルツハイマー型
- 血管性
- レビー小体型
- 前頭側頭型
このほか、認知症と似た症状が出るが、適切な治療で治る次のようなもの(「治る認知症」)もあるので、早めに病院に行くことが重要になってくる。
- 正常圧水頭症
- 慢性硬膜下血腫
- 脳腫瘍
- 甲状腺機能低下症
物忘れと認知症の違い
老化現象による「物忘れ」は、記憶の一部が思い出せない、忘れたことを自覚している、思い出そうと努力して思い出すことがある、などの特徴がある。
これに対し、認知症による「記憶障害」では、そもそも丸ごと記憶していないため、忘れたという自覚がない。何を食べたか覚えてないのではなく、食べたこと自体が脳に記憶されてないので、いくら努力してもヒントを与えても思い出せない。
これは、脳の「海馬」という記憶装置の容量が、脳の萎縮によって減ってしまったため、経験したことなどをそこ(海馬)に入れることが出来ないために起きる。
つまり、「記銘(覚える)→保持(蓄えておく)→再生(思い出す)」という流れの中で、「記銘」が出来ていない状態だ。
認知症の中核症状
認知症の症状には、認知症であれば程度に差はあるものの誰にでも見られる「中核症状」と、人によって出方が異なる「周辺症状」とがある。
中核症状には、記憶障害、見当識障害、理解・判断力障害、実行機能障害、失行(体をうまく動かせない)、失認(見えているものが何か認識できない)、失語(言葉が出てこない)がある。
周辺症状には、徘徊、暴言、暴力、幻覚、妄想などさまざまなものがある。精神的な不安や混乱、環境などの影響によって起きたり起きなかったりする。従って、周りの人の接し方や生活環境がとても重要になってくる。
「認知症ねっと」にあった図を引用させていただく。この本にも、同じような図が載っているが、紙からの引用ができないので…。
出典:『自分でできる 家族でできる 認知症予防と対処法』
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