2021年8月13日金曜日

感染爆発なのに危機感がない7つの理由

どんどん酷くなるコロナ禍の中で、ほとんど自宅にとどまって「自粛生活」を継続している身としては、なぜ多くの人が出かけたり会食したりするのか不思議だったのだが…。

「なるほど」と思う記事(↓)を読んで、半分は納得した。しかし、こういう知見を持った識者がいて、発言もしているのに、なぜ政府や自治体は愚かなことばかり繰り返すのか?そちらの疑問はさらに深まった。





「感染爆発なのに危機感がない」ことには、それなりの、沢山の理由がある。


1. 政府の出す「矛盾したメッセージ」

「自粛」を呼びかける一方で、国を挙げての「お祭り」=五輪を強行開催した。

「出るな」「出かけろ」という矛盾したメッセージが出された場合、人々は都合のよいメッセージのほうを受け取ってしまう。今回の場合、「出かけろ・盛り上がれ」というメッセージ。


2. 緊急事態が「普通」になってしまう「馴化」

緊急事態宣言が何度も繰り返されることによって、もはや「緊急」感がなくなってくること。

政府の対策・対応、そしてメッセージが「毎度お馴染み」になってくれば、そりゃ効果も薄れるだろう。さらに「自粛疲れ」ということもあるし…。


3. 私は大丈夫という「楽観バイアス」

これはコロナ禍だけでなく、よくあることだと思う。人間はなぜか、私だけは大丈夫と思いがちである。そう思いたい…というのもあるだろう。

根拠は希薄なことが多いが、「これまで外出や外食をしてきたが、感染しなかった」「周りに感染者はいない」などといった個人的経験だけを根拠にしていることが多い。

客観的に見て、科学的・論理的に考えてみれば、そんな訳ないことは分かりそうなものだが…。


4. 政府が伝える「メタメッセージ」(言外の別の意味)

これは影響が大きく、政府の責任は重大だと思う。

今回はとくに大きな「感染爆発」となっているのは明らかなのに、これまでと同じ対策・メッセージしか出さない、あるいは(能力の問題で)出せない。

そうすると、いくら大袈裟な表現を使っていても、「これまでと同じで大したことない」という「メタメッセージ」が伝わってしまうのだ。


5. 反発する気持ち「心理的リアクタンス」

緊急事態宣言に馴れてしまい、反発を強めている人々に、さらなる恐怖メッセージを伝えて不安を煽ろうとするような発言や記事もある。これは、反発する気持ちを増大させ逆効果になってしまう。


6. 自粛は損:「損失回避効果」

一度自粛をやめてしまった人は、もう何を言っても止まらない。これを「損失回避効果」と呼ぶ。今、外出や会食などを楽しんでいる人たちは、自粛することを「損」であると感じ、それに対して過剰に反発する。


7. 皆遊んでるじゃん:「バンドワゴン効果」

外出している人々をテレビや新聞は警告を込めて報じているが、それも逆効果。

それを見て、みんな遊んだり帰省したりしているのに、自分だけ我慢する必要はない…と思ってしまう心理が働く。


…と、一つ一つ「なるほど」と思うことが書いてある。一方、対策へのヒントも書いてある。

一つは「ナッジ」というもの。"nudge"=「そっと後押しする」という意味。人々の選択の自由を保持しながら、ある方向へと誘導するような介入のことである。

例えば、五輪開催中に首都高の料金を1,000円上乗せしたが、緊急事態宣言下では全国の高速料金を値上げするという方法も考えられる。


もう一つは「インセンティブ」。いわゆる「ニンジン=ご褒美」?

例えば、筆者は「接触確認アプリCOCOAを活用して、感染者との接触が1日確認されなければ100円を付与する」といった方法を挙げている。


これについては、20〜30代のワクチン接種促進のために、東京都が「接種したらポイント付与」という案を出しているようだが…。

✏️接種したら買い物で使えるポイント付与…都、20~30代の接種促進へ

まぁ、方法論としてはありうるのだろうが、10億円の予算をつけるというのは如何なものか?税金の無駄遣いのような気もしないでもない。

その前に、ワクチンに対する正しい知識を伝えて広めるとか、受けたい人がすぐに受けられるような環境を整備するとか、メディアが正確な記事を書く努力をするとか、やるべきことは沢山ありそうなものだが…。

とくに若者の大きな情報源である SNS に広まっている間違った情報に対しては、それを正すような細かい対策も必要だと思われる。

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