2021年8月20日金曜日

「コロナは空気感染」をもっと意識しなくては…

昨日読んだこの記事(↓)にはちょっとしたショックを受けた。
 人流、3密、クラスター対策では解決に向かわない

「新型コロナが空気感染すること」はもはや世界の常識であること。日本の政府や自治体の対策はそのことをほとんど考慮していないこと。日本のやり方には合理性が欠如していること。これは大問題だ…。




例えば「人流」であるが、記事からお借りした上のグラフ「東京都の新規感染者数とターミナル駅の人流減少率」を見ると、人流と新規感染者数に明らかな相関は見られない。これは素人の私にでも分かる。

「コロナ感染にはホットスポットが存在」しており、「検査を徹底し、ホットスポットを同定したうえでの重点的な介入」をしなければ意味がない。

やみくもに人流を抑制するのは非効率なのだ。

感染者を見つけて隔離などを行うのは、感染症対策の基本である…という話は 1年半前に聞いたことだが、日本政府等はいまだにこれをやる気がないようだ。


日本はいまだに検査を抑制している。日本の人口 1,000人当たりの検査数は0.71件(8月11日)で、これは最も多いイギリス(10.97件)の 15分の1 という少なさだ。

コロナ感染の主体は、いまや濃厚接触者からの飛沫感染ではなく、空気感染であることが明らかとなっている。早急に「空気感染」を前提とした対策に切り替える必要があるはずなのに、厚労省はいまだに方針転換をしていない。

これは重大な問題であるし、政府や自治体の責任問題でもある。


「空気感染」というのは「エアロゾルを介した空気感染」なのだが、エアロゾルは、最低で 3時間程度、感染性を維持しながら空中を浮遊し、長距離を移動することが分かっている。

これは、世界の(日本を除く…(^^;)?…)医学界のコンセンサスになっている。

7月6日に、世界32カ国の科学者 239人が、「 世界保健機関(WHO)や各国はコロナが空気感染で拡大することを認識すべき 」 との論考を、アメリカの『臨床感染症学誌』に発表した。

その時点からも、すでに 1ヶ月以上が経っているが、実は 4月末頃には「空気感染だろう」ということはおおよそ分かっていた。

4月14日には、イギリスの『ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル』が「コロナ空気感染の再定義」を掲載し、5月1日にはイギリス『ランセット』が「コロナが空気感染することを示す10の理由」という「論考」を掲載している。


日本の「コロナ対策」は本当に非科学的で、合理性・論理性に欠けるところが多々あるというのは、ずっと感じていた。

それどころか、なんで感染を助長するような「Go To キャンペーン」とか「五輪強行」とか、真逆のことをやるのだろうと不思議でならなかった。

この記事を読んで「やはり」という思いとともに、もう政府自体を取り替えるしか、日本をコロナ禍から救う道はないのではないか?…と思い始めた。


ところで、空気感染だとして、その対策は?…というと、コロナウィルスを含むエアロゾル(空気)を排除すること、つまり「換気」が一番効果的とのこと。

ただ、真夏の日本では換気が難しい。エアコンで冷えた空気は下の方に滞留する。窓を 5分間全開にしても、入れ替わる空気は 30%程度でしかないそうだ。

現在、世界が試行錯誤しているのは、「いかにして換気効率を高めて、空気感染のリスクを減らすか」ということ。

そのための研究が世界中で進んでいるようだが、残念ながら日本ではほとんど議論さえされてない状況らしい。本当に!なんとかしてほしい!!


この記事の筆者(上 昌広 : 医療ガバナンス研究所理事長)は、下のように記事を結んでいるが、まったく同感である。

「コロナ対策は、科学的なエビデンスに基づき、抜本的に見直さなければならない」



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