2026年1月30日金曜日

本『数学者に「終活」という解はない』清々しく生きようと思うのだが…

元日に今年の目標みたいな記事を書いた。


その中に、「今年も『無事・健康・元気・幸福』などを祈願しながら、ゆったりとした気持ちで、清々しく朗らかに過ごしたい」と書いたのだが、「清々しく生きる」のは結構大変なことだと、この本(↓)を読んで気付かされた。





秋山 仁という人は 1946年生まれの数学者なのだが、TV などでも活躍していたり、アコーディオン奏者であったりして、かなりの有名人であるようだ。独特の風貌の写真を見てどこかで見たことがあると思ったのは、TV で見たのかもしれない。

この本を読む限り、なかなかユニークで面白い人のようだ。


…で、以下読書メモ。まずは「清々しく生きる」話。少し長いが引用する。『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』という映画の中で伝説のキューバ・バンドのミュージシャンにインタビューした部分に対する秋山教授の感想。


「そのインタビューが実に清々しいのだ。その清々しさはどこから来ているのか? それは、彼らが時の流れや国の事情を恨むことなく、また、他人や他国を羨んでもいないことに大きく起因していると思った。彼らはキューバの音楽、葉巻、ラム酒、友人、過ぎ去っていった恋人たち、家族、…と、その時、その時、自分の愛していたものを大切に生きてきたことを語り、その一方で、無いものや失ったものを嘆くことはなく、今現在は自分の周りにあるものへの愛で満たされていると語っていた。これこそ、精神的に成熟した人間にしかできないことだと思った。彼らの根底に “音楽を演奏すれば超一流だ” という誇りがあるからなのか、自分の生き方や人生にまったくと言っていい程、惑いも悔いもない点が本当に『カッコいい大人』としか言いようのないものだった」


上の引用で私が太字にした部分をつなぎ合わせてみると…。

「恨まず、羨まず、嘆かず、惑わず、悔いず」そして「自分に誇りを持ち、自分の周りにあるものを愛し大切にする」

…となるのだが、自分のことを振り返るとどれも難しそうなものばかり…(^^;)。

清々しく生きるには、人生観や考え方そのものから見直す必要がありそうだ。過去は変えることが出来ないが…。

そして一番難しそうなのが「誇り」。これだけは誰にも負けない…と思えるようなもの・ことは残念ながら持つことが出来なかった。今からでも遅くない…という考え方もあるが…。

でも、そういう「誇り」を持っている人はどれくらいいるのだろう?


この本では、各節のタイトルに有名人の言葉などが引用してあるのだが、その中に遠藤周作の言葉(↓)があった。

「親(大人)のもつ教育観は、彼らの幸福感に他ならない。教育が貧しくなったのは、親(大人)の幸福感が貧しくなったからだ」(遠藤周作)

まったくその通りだと思った。大人の中でも親、教育者(先生)、教育関係者、そして文科省のお役人と政治家の責任は重大(軽→重の順?)だと思う。

多くの日本人の傾向についての秋山教授の言葉(↓)にも共感。

「他人の目を気にし、損得で物事を考え、マイナスのほうにばかり目をやって、自分の価値観でもって自分の人生を楽しもうとはしていない」


「君子の交わりは淡きこと水の如く…」(荘子)

…そうありたいと思う。


この言葉(↓)も「ラクな定年生活者」にはズシンと響くが、さてどうしたものか…(^^;)?

"There are risks and costs to a program of action, but they are far less than the long-range risks and costs of comfortable inaction."  John F. Kennedy

(行動には常にリスクが伴う。しかし、それは行動せずにラクを決め込んだ時の長期的なリスクやコストと比べれば取るに足らない)


人間は年齢に関係なく成長できる(↓)…というのは頭では分かっている?…つもりだが…。「好奇心」はまだ少しはあると思うが、あとの二つは自信がない…(^^;)。

好奇心向上心および執着心(努力し続ける心)さえあれば年齢は関係なく、人間は成長し続けられる」


この本のテーマは何となく「終活」ということになっている。「命は天にあり、体は我にあり」というのは、なかなか「言い得て妙」だと思う。

天より預かっている「体」を活かす、充実させる、養生する…のは「我」の責任。


「…いつ死ぬかは誰もコントロールできない、どうにもできないこと、すなわち “命は天にあり” だから…」

「…その一方で “体は我にあり” で、自分が命を与えられている時間の充実度は天に任せているわけにはいかない。このように、”生きる時間を充実させなければならない” と同時に、”それがいつ終わるかわからない” というアンバランスな状態をうまく統合することは、そうたやすいことじゃないから、人生の終え方(着陸)が難しくなるのだと思う」


読書メモは以上。

最近の私の読書傾向は一風変わった人の本が多い…とちょっと前に書いたが、もう一つ気がついたのは、著者が高齢である…ということ…(^^;)。

それぞれの生年と職業を並べてみた。

📗静かに生きて考える 森 博嗣:1957〜、工学者・小説家・随筆家・同人作家で工学博士

📗諦念後──男の老後の大問題 小田嶋 隆:1956〜2022、コラムニストとテクニカルライター

📗圏外編集者 都築響一:1956〜、編集者・写真家・ジャーナリスト

📗数学者に「終活」という解はない 秋山 仁:1946〜、数学者、アコーディオン愛好家
 


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