『人はどう老いるのか』という本、日頃私が考えていることにかなり近いことを、高齢者医療の専門家が具体例とともに分かりやすく書いてくれている。良書だと思う。
老いには逆らわず受け入れる、無益な延命措置は行わない、世の中の健康情報を信じない、医者も本当のことは言わないと思うべし…等々。
以下、自分用の引用メモ。
「自らの老い、苦痛、不如意を泰然と受け入れ、栄誉や利得を捨て、怒らず、威張らず、自慢せず、若者に道を譲り、己の運命に逆らわない心の余裕を持つこと」
「年をとればこんなもの、と軽く受け止める」
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こんなことも書いてある。無駄な医療や投薬の多さの理由?
「医療機関(病院やクリニック)を潰さない(赤字にしない)ために…余計な検査や投薬は必要悪…」みたいな…(^^;)。
「超音波診断機などはリースなので月○○回以上使わないと赤字、期限の切れる薬は廃棄すると損失…なので…」
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「いったん死が避けられない状況になったら、よけいな医療はせずに、自然に任せるのがもっとも穏やかな最期を迎えられます」
「心機能や呼吸機能などに余力がある場合は、人工透析で余命を延ばす意味はあるでしょうが、老衰に近づいている場合は、人工透析すべきかどうか、悩ましい状況になります」
慢性腎不全の身にとっては、本当に「悩ましい」…。延命措置は…
「…家族にとっても過酷なものです。下の世話から床ずれ予防、喀痰の吸引、あちこちの疼痛ケア、関節拘縮の予防に清拭(せいしき)、口腔ケア、唾液の誤嚥防止、胃ろうから入れた流動食の逆流防止など、する側もされる側もつらいフルの介護が必要となります」
いやぁ〜、考えさせられる、実に悩ましい…。
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「老いの現状を正しく認識し、高望みをせず、身の丈に合った状況で満足する…」(足るを知る:知足)
「欲望と執着が苦しみのタネであることは、二千六百年前にインドで釈迦牟尼がつまびらかにしている…」
内田樹氏の文を引用したもの:「合気道に限らず、武道というのは『与えられた状況に最適化すること』をめざす」と…」
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「健康について多くの人が心配しすぎ…。その心配が時間的、経済的、精神的、肉体的に多くの無駄を作り出しています」
「…世にあふれるきれい事情報、優しい絵空事情報、まやかしの希望情報…」
いや〜、ホントにそう!
健康についてのウソ情報が蔓延している日本、何とかならんのか!?…と思う。儲け第一主義の悪徳企業や商人だけの問題ではなく、医療機関や政府・自治体なんかも「きれいごと」「絵空ごと」があまりに多すぎるのでは?
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