2021年9月5日日曜日

東京のコロナ新規陽性者の減少は検査数の減少によるもの?

このところ、新型コロナの新規感染者数(陽性者数)が減って来ているので、少し明るい兆しが見えてきたのかな?…と思っていたのだが…。

東京都のコロナ関連のこのページ(↓)に、「報告日別による陽性者数の推移」と「検査実施件数」のグラフが並んでいるが、この 1〜2週間の動きがどうも連動しているように見えてしまう。

✏️都内の最新感染動向




都が提供しているデータをダウンロードして、グラフにしてみたのが上の図。「検査数増減」は 1週間前の同じ曜日からの増減。この 2週間ほどは減り続けている。

新規陽性者の減少は見せかけのものでしかなく、検査数が減ったからに過ぎない。感染状況はまったく収まっていないと考えた方が良さそうだ。

意図的なものか(誰が?)偶然なのか分からないが、メディアはもう少しその辺りが分かるような報道をして欲しいものだ。


データの集計の問題だと思われるが、土日月あたりの陽性率(新規陽性者数 ÷ 検査数)はあまり当てにならないので、火水木金の陽性率を比較してみる。

下記の数字は、1列目が 8/24 からの 4日間、2列目が 8/31 からの 4日間の「陽性率」である。まったく変わっていないのは歴然としている。なので、検査数を増やせば新規陽性者も増える筈だ。

8/24~ 8/31~
 21% 18%
 23% 23%
 27% 25%
 23% 29%


そもそも、陽性率が 20% を超えるのは異常だと言われている。この高さは、一般的には検査数が足りていないこと、つまり感染者を十分に把握できていない可能性を示している。

ちなみに、政府の分科会は陽性率について、「10%以上」を感染状況が最も深刻なステージ 4、「5%以上」をステージ 3としている。

現在の集計は公費で行われる「行政検査」だけなので、自費で行った検査の数を入れれば、陽性率はもっと下がる可能性がある…という議論もあるようだ。

でも、この 1〜2週間で「行政検査」が減ったことの説明にはならない。


東京都の PCR検査能力は、1日当たり最大 9万7,000件だそうだ。しかし、8月の検査数は 1日当たり 1万3,000件程度にとどまっている。出典は下記記事。



行政検査以外の自費検査数などが増えて実態が分からないのなら、それも把握した上でデータを公開すべきだと思う。そうしないと状況の正しい認識ができない。

そして、PCR検査能力の 13%ほどしか検査が行われていない理由をはっきりさせるべきだ。一方で、必要な PCRが受けられなかったという報道も相変わらずあるのだから。


個人的には、子どもたちへの感染リスクが高まっている現在、本来ならば新学期が始まる前に学校関係者全員と、できれば子どもたち全員の PCR検査をやるべきではなかったかと思う。

検査キットを配って回収すればいいので、できないことはない筈だ…。


…と、最近の報道や政府・自治体の発表や説明を聞いていると、だんだん何を信じたらいいのか分からなくなってくる。

日本ってこんなにお粗末な国だったのか…?


参考:「都内の最新感染動向」ページのグラフ




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