昨日今日の報道を見て唖然としたことがある。
緊急事態宣言を解除する基準に、新たに「自宅療養と療養調整中の人を合わせた人数」と「中等症患者の数」を追加するというニュース(↓)で、そのこと自体に異議はない。
呆れたのは「東京都では、そもそもこれまでは軽症と中等症をまとめて集計しているため、中等症患者だけのデータがありません」というところ。
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もう一つ、相変わらず「中等症」という表現でまとめていて、「中等症 Ⅰ」と「中等症 Ⅱ」とをまったく区別していないこと。
これはとても重要な問題だ。そもそも用語の定義が国際基準に合っていないという問題がある上に、酸素吸入が不要な「中等症 Ⅰ」と、呼吸不全になっていて酸素吸入が必要な「中等症 Ⅱ」とを一緒にしてしまうのは大きな間違いである。
都知事は「分析を行なっているところ」と釈明しているが、この分だと「中等症 Ⅰ」と「中等症 Ⅱ」をまとめた数字しか出てこないことが危惧される。
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そもそも、行政には「データをとって分析する」ということの「基本」が分かってないのでは?と思われる。
通常、データは一番細かい分類でとれるだけのものをとってデータベース化するものだ。その上で、集計したり分析したり、あるいはグラフ化するときに「まとめる」作業は行うが、元のデータはそのまま保存しておく。
あとで、別の視点での集計や分析が必要になるか分からないので、「生データ」の保存は必須である。
都のホームページ(冒頭の絵)に「軽症・中等症」とくくった数字しか載せないから、それ以上の細かいデータは不要…ということには決してならない。
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この際、ぜんぶきれいにして統計データを整理して、現状分析に役に立つものにする!…といった英断を誰かしてくれないものか? 最低限やるべきことは下記。
- 生データのデータベースの改善と一元管理、オープン化
- 「重症」等の用語を世界基準に合わせる
- 東京都の「重症者」数を国の基準に合わせる
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以下、ご参考。
国際基準の話は重要なので、比較表を再掲しておく。
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