2021年7月29日木曜日

プラネタリー・バウンダリー:地球にも我慢の限界がある…

この歳になっても、勉強しなくては…と思うことが時々ある。世の中や地球環境は日々変わりつつあり、人類の知識や知恵もどんどん変わったり増えたりしているのだから、まぁ当然と言えば当然…(^^;)。

最近知ったことでちょっと驚いたのは「プラネタリー・バウンダリー」、地球には限界があるのだ…という考え方。考え方でもあり、科学的事実とも言えるようだ。




環境問題とか地球温暖化には少しは興味を持っているつもりだが、この「プラネタリー・バウンダリー」によれば、単に二酸化炭素などの排出量を減らせばよいという単純なことではないようだ。

それでさえ、今の世界のリーダーたちに十分理解されてるとは言い難いし、温暖化などないというまったく馬鹿げた主張をする「大統領」もどこかにいた…。


その前に、長い目(10万年とか…)で見れば、現在の地球環境というのは本当に「奇跡」としか言いようのない「危ういバランス」の上に成り立っているということを認識する必要がある。

下図は、10万年間の地球の温度変化のグラフであるが、現在のように、比較的安定しているのはこの 1.2万年でしかない。




この 1.2万年は地質時代区分で「完新世(かんしんせい、Holocene)」というらしいが、実は以前は(私が生徒だった頃は…)「沖積世」と呼ばれていた。

その前の「洪積世」も、今は「更新世(こうしんせい、Pleistocene)」という呼び方に変わっているようだ。

若い頃に仕入れた知識も、ほっておくといつの間にか古びてしまう…(^^;)。


そして、ある意味で「安定期」であった「完新世」も終わった…というのが「プラネタリー・バウンダリー」を提唱する学者たちの考え方のようだ。

次の時代(現在)は「人新世(じんしんせい、ひとしんせい、Anthropocene)」と呼ばれる。これは、人類の活動が地球の地質や生態系に影響を与える時代といった意味を持つ、想定上の地質時代区分である。


「人新世」では、人類の活動が原因で地球の健全な(安定が続く)状態が破壊されつつあり、ある点(ティッピング・ポイント)を超えると、地球環境はもはや元に戻ることはできなくなる…という恐ろしい指摘がされている。

ただ、「プラネタリー・バウンダリー」はポジティブに解釈すべきであって、その「限界」内で活動をコントロールすれば、地球環境の安定は保たれる…という考え方でもある。


で、コントロールすべき、あるいは指標とすべき要素は次の 9つが現在までに分かっているものだ。

  1. 気候変動
  2. 生物圏の一体性(生物多様性)
  3. 土地利用変化
  4. グローバルな淡水利用
  5. 生物地球化学的循環(リン、窒素)
  6. 海洋酸性化
  7. 大気エアロゾルの負荷
  8. 成層圏オゾン層の破壊
  9. 新規化学物質による汚染


このうち、「生物圏の一体性(生物多様性)」と「生物地球化学的循環(リン、窒素)」はすでに限界値を超えており、早急に対策が必要とされる。

「気候変動」と「土地利用変化」もリスクの高い領域に達している。「海洋酸性化」も放置すればすぐにでも高リスク領域に達しそうなところにある。

こういった状況を分かりやすくまとめたものが、冒頭の図である。


9つの要素について簡単にでも説明しようと思ったが、難しい内容であるし(私には荷が重い…)長くなるので、今日のとことはここまで…(^^;)。

ちなみに、この考え方は「SDGs(Sustainable Development Goals、持続可能な開発目標)」と密接に関係している。


以下、参考記事・動画。







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