2026年4月8日水曜日

本『人間には12の感覚がある』"Sentient" 感覚の不思議さ・深遠さ…

人間には12の感覚がある』という本を読んだ。2021年に英国で出版された話題作で、2025年 7月に日本語訳が出ている。

12種類の動物の持つ不思議な「感覚」を通して、人間にも似たような(五感以外の)感覚がある、ありそうだ(でも、まだ証明されていない)…といった興味深い話が論理的・科学的に展開される。

様々な研究成果や事例などの専門的な内容も多いのだが、実に面白く分かりやすく、「感覚世界」の不思議さ・深遠さを教えてくれる。情報量満載で読み応えがある。

ただ、本のタイトル『人間には12の感覚がある』は意図的かも知れないが誤訳だろう。人間の持つ「12の感覚」は登場しないし、そういう主張も見当たらない。




原題は "Sentient: What Animals Reveal About Our Senses"(「感覚を持つ:動物たちが人間の感覚について教えてくれること」)。

著者のジャッキー・ヒギンズ(Jackie Higgins)は、オックスフォード大学大学院でリチャード・ドーキンス(『利己的な遺伝子』著者)に師事し動物学を修めた人。「ナショナルジオグラフィック、ディスカバリーチャンネル、BBC などで制作・執筆を担当」という経歴を見て「なるほど」と思った。


全体的な考え方として、人間(生物)の感覚・知覚は 1つ・2つと数えられるものではなく、感覚器官(センサー)1つに対して 1つというものでもない、複数の感覚情報を「脳」が組み合わせて作り上げるものである…ということは意識しておいた方がいいだろう。

人間の知覚の中に、単一の感覚だけで完結しているものなどほとんどない。大半の知覚は、複数の感覚が複雑に絡み合って生み出されている。知覚は、脳が複数の感覚情報を組み合わせて作る『つづれおり』なのだ


以下、各章ごとの読書メモ。


第1章 モンハナシャコと人間の色世界

モンハナシャコの光受容体は 12種類、紫外線や光の極性(直線偏光、円偏光)まで感じ取ることができる。

人間は 3種類(赤、緑、青)の錐体細胞と暗所視を担う桿体細胞の合計 4種。ただ、稀に 4種類目の錐体細胞(赤と緑のハイブリッド錐体細胞)を持つ人もいる。


第2章 ヒナデメニギスと人間の暗所視

ヒナデメニギス(深海魚)の目は、暗所で光を最大限集めるために開口部が 4つある。2つは「偽の目」でそこから入った光は鏡で本物の目の網膜に送られる。網膜には暗所視を担う「桿体細胞」だけが 7〜8層(人間は 1層)もあって感度を上げている。

人間の網膜は「中心窩」(直径 1mm未満)に色を見分ける錐体細胞(500万個)が密集しており、周辺には暗所視のための桿体細胞(1億個)が多く存在する。

桿体細胞は錐体細胞に比べ  1,000倍ほど光に対する感受性が強い。さらに、桿体細胞から脳への神経経路には速い・遅いの二つがあり、遅い方ではその分「光子」を多く吸収することでわずかな光を増幅していると思われる。そのため、人間は暗闇でもある程度モノが見える。


第3章 カラフトフクロウと人間の聴覚

カラフトフクロウは夜間、深い雪の下にいる獲物を正確に捉えることができる。それは「聴覚」によって獲物を「見て」いるからだ。

フクロウは、羽毛に覆われた窪んだ顔盤を集音器のように使い(人間の「外耳」の巨大なものと考えられる)、巨大な「蝸牛」とそこに密生する多くの有毛細胞で、人間より幅広い周波数の音を、人間には聞こえないような小さな音も含めて聞いている。

また、左右の耳は高さにズレがあり、両耳に届く音のタイミングのズレと音量差で、音の発生源を三次元的に捉えている。フクロウの脳内にはそうして得た情報で「聴覚地図」が作られており、「耳で見る」ことが出来ている。

人間にも同じような「聴覚地図」の能力があることが、視覚障害者の経験や実験で証明されている。意識はされてなくても、この能力は晴眼者にもあると思われる。



第4章 ホシバナモグラと人間の触覚

ほぼ盲目のホシバナモグラは、鼻先を囲む 11対の触手を高速で動かしながら土の中を掘り進み、ミミズなどの餌を見つけると「高速捕食」(ギネス認定)を行う。この「触手」は嗅覚ではなく「触覚」器官である。このモグラは触覚で周囲の様子を「見て」いると言える。

人間を含む哺乳類には、皮膚に 4種類の触覚細胞(機械受容器)がある。皮膚が 1/500 mm 沈んだだけでも反応する「メルケル細胞」、羽が触れるような微かな圧力や低周波数の振動を感知する「マイスナー小体」、高周波数の振動を感知する「パチニ小体」、皮膚の歪みや伸びを感知する「ルフィニ小体」である。メルケル細胞は、物体の縁、形状、質感なども感知している。

ホシバナモグラの触手は、メルケル細胞に似た細胞がぎっしりと並んだ触覚器官である。


第5章 ナミチスイコウモリと人間の快感と痛み

ナミチスイコウモリは、胃袋の中の食べ物(動物の血液)を自分の子供だけでなく、他の子供や成獣にも分け与えることが明らかになった。その「食物の分かち合い」の前には必ず「触れ合い(グルーミング)」が行われることも…。

「触覚」には、物体などを識別するための「触れる」ことと、他者から「触られる」という二つの側面がある。コウモリの触れ合いは後者であり、社会性・感情に関わると考えられている。

人間を対象にした実験では、「ミダス・タッチ」として有名なものがある。バーの客に対して注文を取るときに何気なく「触れる」ことで、ウエイトレスの受け取るチップが増えた…というものである。「触れられる『触覚』」の重要性を示唆している。


触覚の神経経路には速い経路(ミリ秒単位で脳に伝わる)と遅い経路(脳に伝わるのは 1〜2秒後)があり、皮膚に存在する神経線維の約 3/4 は後者である。「速い触覚」は、触れて物体などを識別する。

後者の「遅い触覚」では神経細胞そのものが感覚受容器となっていて、これは皮膚と脊髄をつなぐ長い末梢神経細胞である。この細胞の末端はむき出しになっていて、表皮のいたるところ(無毛皮膚以外)に分布している。肩・上腕・頭皮・背中などに多い。

この「遅い触覚」の感覚神経は「快楽受容器」と呼ばれ(「C触覚」「CT線維」「愛撫センサー」という名称もある)、ごく弱い力の低速での動きに反応する。

識別のための触覚が脳内の体性感覚野を活性化させるのに対し、「遅い触覚」は島皮質や大脳辺縁系など「感情」を処理する部位を活性化させる。

皮膚には、感じるためのいくつもの種類の感覚受容器が備わっており、そうした受容器が協調し合うことで複雑な(快楽、苦痛、その中間等々の)感情を作り出していると考えられる。

社会性のある哺乳類は同様の感覚神経を持っている。協調し合う行動が生存に有利だったために、このように進化したものが生き残ったと考えられる。


「痛覚」も「遅い触覚」の一つと考えられ、「痛覚受容器」(侵害受容器)は「快楽受容器」と同じように、その末端は剥き出しになっていて表皮に多く存在する。また、消化器官や筋肉・関節などにも存在している。

快楽受容器と痛覚受容器は共に「遅い触覚システム」に属しており、両者は仕組みも似ており神経学的に繋がっている。危険から身を守るための「痛み」と行動を促す「快楽」(報酬)とのバランスで、生存に必要な行為を促していると考えられる。


「遅い触覚システム」は単なる感覚情報処理ではなく、人間の発達・成長・生存・社会化・感情・人間関係などに深く関わっている可能性がある。

まず、触覚は人間の発生の早い時期(受精後 8週間半)から機能しており、子供の発達にとって非常に重要な役割を果たしていると思われる。

それは「あなたと私」の区別を教えてくれるもので、成長してからも「自分がいる」「自分の身体が自分のものである」という感覚を支え、固定している。

さらに、自閉症などの発症にも触覚が関わっている可能性がある。成長段階で私たちの脳を社会化するのに「遅い触覚」が重要な役割を果たしていることはほぼ確実で、同種の「未発見の神経細胞」がある可能性も大きい。


ナミチスイコウモリにはもう一つ「熱知覚」という能力があることが判明している(顔の真ん中の「鼻葉」と呼ばれる部分がセンサー)。

これは離れた場所からでも熱を感じとる能力で、獲物の表皮に近い血流を探り当て、効率的に血を吸うために役立っているようだ。なお、獲物の場所を特定するためには「エコーロケーション」を使っている。


第6章 ピライーバと人間の味覚

ピライーバ(ナマズ)は、ヒゲだけでなく全身の皮膚に「味蕾」(味覚センサー)を持っている。その「味覚」は周囲の様子を知るために使われている。ナマズの味覚は pH の違いも感知できるようだ。

人間の舌にも味蕾があり、そこには甘味、塩味、酸味、苦味、うま味に対応した味覚細胞(受容体)が備わっている。味覚は食べ物を味わうという嗜好的な側面以前に、栄養のあるものを摂取するため、また危険な食べ物を避けるためという役割がある。

ただし、私たちが「味」だと思っているもの多くは味覚と嗅覚の合わさったものであり、その刺激から脳が「味」を作り出している。チョコレートの味は味覚だけでは味わえない。

ヒトの味蕾の数には個人差があり、通常より 2倍ほど強く味を感じる人は約 25%ほどいると言われている。そういう人は「甘さ控えめ」のお菓子でも甘すぎると感じるようだ。また、一般的に男性より女性の方が味に敏感なようだが、それは単位面積あたりの味蕾の数が多いからである。


ナマズには、口の中や鰓にも味蕾を持っているが、こちらの役割はヒゲや体表にあるものとは役割が違い、口に入れた食物を飲み込むべきかどうかを判断するのに使われている。

人間も、舌の前方と奥の方では同じような役割分担があるが、ナマズほど明確に分かれている訳ではない。


最近、味覚の研究分野で注目されているのが「孤立性化学感覚細胞」である。これは、味覚細胞に似てはいるが、味蕾に集まることはなく孤立して身体のいたるところに存在する。

多くの動物で見つかっており、人間でも呼吸器系(鼻、気管…)、消化器系(胃、胆嚢、胆管、小腸…)などに存在することが分かっている。

これらの感覚細胞は何らかのセンサーとして働いているが、私たちの意識にのぼることはなく、「感覚」を生むこともない。その役割はまだ分かっていない。

考えられるのは、身体に望ましくないものが入ったことを検出して免疫系を活性化するとか、甘味やうま味物質を検出して食欲を促すとか…である。


第7章 ブラッドハウンドと人間の嗅覚

犬(ブラッドハウンド)の嗅覚が鋭いことはよく知られている。嗅覚受容器(においレセプター)の数は人間より何百万も多く、その種類も人間の倍、800種類ほどある。

それだけではなく、犬の鼻の位置は地面(におい分子が多く滞留している)に近く、ブラッドハウンドの耳はにおいを含む空気を集めるのにも役立っている。

さらに、流体力学的にも優れた構造を備えている。犬の鼻孔は吸うときは大きく開き、吐くときは穴の形を変えて呼気を横に逸らす(空気の流入を邪魔しない)ようにできている。しかも、嗅覚受容器が密集する鼻の中の嗅上皮は窪んでいるため、そこで空気の流れがゆっくりになり、より多くのにおい分子が受容器の繊毛に定着することができる。


人間の嗅覚は犬には敵わないが、動物の中ではかなり鋭い部類に入ることが最近の研究で次第に分かってきた。サルの多くやネズミに比べても鋭いそうだ。

においの種類については、人間は「少なくとも 1兆種類」を嗅ぎ分けられるようだ。聴覚が区別できる音色は数十万種類、視覚が区別できる色の種類は数百万種類…と比較すると格段に多い。

そして、嗅覚受容器は前脳に位置する「嗅球」に直接繋がっており、においの情報はそこからすぐに嗅皮質に送られる。これほど短距離で脳と繋がっている感覚は他にはない。におい情報を処理する脳の部位もかなり多いことを考えると、人間の「嗅覚」の潜在能力はもっと大きいものなのかも知れない。


第8章 オオクジャクヤママユと人間のフェロモン

オオクジャクヤママユ(大型 15cmほどの蛾)の雄は 5km離れた雌(のフェロモン)に引き寄せられた…という例がある。

カイコガを引き寄せるフェロモン(におい成分)は特定されていて、同じ分子を合成することもできる。カイコガのこの感知能力はブラッドハウンドの 1,000倍もある。

フェロモンは「においとは感じられないにおい」であり、「本能的・無意識の反応」を引き起こすもの。「命令と服従」(行動操作)という側面もあり、非常に sensitive なテーマだ。

人間のフェロモンに関する研究はかなり盛んなようだが、まだはっきりとしたことは分かっていない。ただ、女性の妊娠可能時期を知らせる何かがあるとか、母親の乳首のにおいに乳児が反応するとか、女性は免疫系遺伝子の集合である MHC 情報が自分と異なる男性を好む傾向があるとか、いくつかの「フェロモン」的事例は見つかっている。


第9章 チーターと人間の平衡感覚

チーターはスタートから 3秒以内に 100km/h に達し、100m を 6秒弱で駆け抜ける。しかし、驚くべきは速度よりも、急カーブでも変わらない大きな「加速度・減速度」、そして「平衡感覚」の鋭さである。

人間にも平衡感覚のための「水準器」、つまり「三半規管」と「耳石器」が内耳の中に備わっている。耳石器には垂直方向と水平方向に対応する 2種類があり、三半規管は「外半規管」「前半規管」「後半規管」の 3つで三次元的なあらゆる方向の回転速度の変化に対応している。

チーターの平衡感覚器官は、ネコ科動物の中で圧倒的に大きいことが分かっている。


平衡感覚は、前庭系(三半規管、耳石器)だけで実現されているわけではない。三半規管は二つの反射(本人には意識されない動き)を引き起こす。「前庭頸反射」は身体の動きに合わせて首の位置を調整する。「前庭動眼反射」は身体の動きに合わせて眼球を安定させる。

この「スタビライザー」によって、私たちは身体が動いても視点を固定し、世界が動かない(目が回らない)ように見ることが出来ている。

これにより人間は二足歩行が可能となっている。チーターが走っているときに頭の位置がほとんど変わらず、高速に移動しながら獲物を狙えるのも同じ仕組みによる。


第10章 ゴミグモと人間の時間感覚

ゴミグモは夜明け前に起きて巣を作り直す。真っ暗な中に置かれたオジギソウは日の出の時刻に小葉が開き、日没の時刻に葉を閉じる。ほぼすべての動植物には(菌類、藻類、一部の細菌も含めて)「体内時計」があることが分かっている。

人間の体内時計の「一日」は約 25時間(概日リズム:circa diem)であり、地球の自転による約 24時間(正確には 23H56M4S で地球誕生時点から少しずつ長くなっている)とはズレがある。

完全な暗闇で長時間生活すると時間感覚がおかしくなるのだが、幸い人の体内時計は毎日リセットされて、自然の時間と合うようになっている。


実は「体内時計」はほぼすべての細胞内の分子レベルの仕組みで動いている(「時計タンパク」とも呼ばれる物質が約 25時間単位で増減する)。なので、体内のあらゆる器官や臓器が概日リズムを刻んでいるということになる。

一方、外界の時間と合わせる役目は「光」にある。

目の網膜には、錐体細胞、桿体細胞とともに「感光性網膜神経節細胞(pRGC)」と呼ばれる第三の光受容体が存在する。そこに光子が当たると、その情報は、視覚野ではなく視床下部の底部にある「視交叉上核」というところへ到達する。

「視交叉上核」はマスター・クロックのような役目を持っており、全身の分子時計(体内時計)を外界の時計に合わせている。


第11章 オオソリハシシギと人間の方向感覚

オオソリハシシギのような渡り鳥の、長距離飛翔能力と方向感覚(目的地に間違いなくたどり着く能力)は信じられないほどだ。

様々な実験により、トリには「磁気コンパス」(磁覚)があることが分かっている。それは地球の磁場の 5万分の 1 の強さの磁気さえ検出することができる。

ただ、磁覚に対するセンサーや脳の仕組みはまだ分かっていない。量子レベルの仕組みが目の中にあり磁場が見えるという説と、動物の体内にあるミクロの磁鉄鉱がコンパスの役割を果たしているという説などがあるようだが…。

人間にもこの「磁気センサー」があるのかどうか?という議論も継続中だ。アカウミガメやシラスウナギ、ガやチョウの一部など、磁気を感じる動物は多く見つかっている。

オーストラリアの先住民の中には、「右左」という言葉を持たず「東西南北」で方向を示す言語を持つ人々がいて、「どこに行くの?」「北北東のはるか遠く」といった会話をしているらしいのだが…。


第12章 マダコと人間の身体感覚

タコの変幻自在な身体能力は、軟体ロボット開発などの分野でも非常に注目されている。

タコの身体には 5億本もの神経があり、その半数は感覚受容器である。触覚のための「機械受容器」、味覚のための「化学受容器」、そして筋肉の中に入り込んでいる「筋肉受容体」がある。「筋肉受容体」はタコの腕が伸ばされたときに発火し、自らの動きを感じ取っている。

伸長によって発火する筋肉受容体はすべての動く動物にある。人間の筋肉には「筋紡錘」と呼ばれる感覚受容器が約 2万個ある。これにより、人間は(動いてないときも含めて)「自分の身体を自分のものと感じる」ことができる。この感覚は「自己受容感覚」と呼ばれる。

私たちは動作(例えば指を自分の鼻に持ってくる等)を行うときに、筋肉一つ一つの動きを意識している訳ではない。「自己受容感覚」は、筋紡錘からの沢山の情報を脳が処理することで、私たちが意識しないままで、筋肉の細かい制御をしている。


タコの 8本の腕は独立して動くことができる。脳とは細い神経繊維で繋がっているが、脳は中央集権的な動きはしていないらしい。

タコの 5億あるニューロンの多く、約 3億は 8本の腕にある。筋肉受容体からの情報は、脳ではなく腕の中で処理されていると考えられている。そのため、8本の腕はそれぞれ別の動作を同時に行うこともできるし、切り落とされた腕も 1時間半ほどは普通に動作することができる。

ただし、8本の腕を協調させることが必要な「泳ぐ」などの動作では、脳を介して情報を送り合い、それぞれの動きを調整するようなことをやっていると考えられる。脳が関与しているかどうかなど、細かいことはまだ分かっていない。


「タコの意識」はどうなっているか?…ということに関心を寄せる学者(哲学者など)もいる。タコの脳から見ると、その意識の外で腕は自由に?活動しているときもあれば、泳ぐときのように統率のとれた?動きをするときもある。さらに、視覚を使って移動する方向を定めることもある。

つまり、タコの意識の範囲はその時々によって変化している…と考えられる。


あとがき

カモノハシのクチバシには何万という微小な電気センサーがあり、これで獲物を探す。

「環世界」(Umwelt)…それぞれの動物種の知覚しうる世界の総体。私たちは、現実世界の中でも、対応する感覚がない部分に関してはずっと知らないままである、つまり環世界の外にも現実があることは知りようがない。

…と思われてきたが、「感覚」に関する様々なことが明らかになり、人間の「想像力」により「脳」の可塑性が活用される可能性も広がり、環世界は開かれたものになりつつある。

盲人の視覚を回復させるための舌に埋め込む機械、難聴の人の聴覚を回復させるための振動ベストなども開発されている。


読んでみようと思った参考図書(著者が紹介している本)。

📗妻を帽子とまちがえた男(オリヴァー・サックス 著)

📗音楽嗜好症: 脳神経科医と音楽に憑かれた人々(オリヴァー・サックス 著)

📗裸のサル(デズモンド・モリス 著)

📗利己的な遺伝子(リチャード・ドーキンス 著)

📗つきあい方の科学:バクテリアから国際関係まで(ロバート・アクセルロッド 著)

📗 タコの心身問題――頭足類から考える意識の起源(ピーター・ゴドフリー=スミス 著)

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