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雲
見あぐれば
冷たく凍てし
冬の空
漂ひ行くは
一片の雲
灰色の
中にさびしく
うかびつつ
風に吹かれて
そはどこへ行く
あてもなく
流れる雲の
あはれにも
何を思いて
山を越ゆかは
黒き山
すわれる山の
峰の果て
こえて行きなば
光はありや
夕暮れし
空にうかぶは
一つ雲
何を求めて
行くをやめずや
山のうへ
小さくなりて
流れゆく
悲しき雲の
冬空に消ゆ
山を越え
はてしなく行く
冬の雲
光よあれと
祈りぞまさる
（作成日不詳）
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