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夏に - 俳句詩の試み
そのおもいを
少年は恋だと思った
そしてそれはほんとうにすきとほった
ひとつの春の風であった
春の風 嘆息にも似て 我が想ひ
とほい昔 そんなこともありました
青年はさわやかな雨の中で
笑っていました
いや見つめていたのでしょうか
夏の夜の 独り降る雨 露ひとつ
いま新緑を映す瞳は
その涙を深い湖に流し
その想い出を光に溶かし
そのおもいを
秋が来るまで風に散らしている
紫陽花の 想ひ知らずや 秋の風
想ひをば 何にたとえむ 春の風
1970.7.9
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